知人に勧められたレビューコンテストに応募することにした私は、レビューというものを書いたこともなければ、よく読んだこともありませんでした。
知らない、というのは怖いもの知らずです。
何を書けばいいかと思った時、私は、歌手に手紙を書こうと思いました。
手紙だったら自分の気持ちをそのまま書けると思ったのです。
『拝啓…』
から始まる長い手紙の形式で私はその歌手の歌についての批評と、1人の母親として「音楽」で初めて心が満たされ、癒されたという気持ちを歌手に伝える形で書きました。
それと同時に、その歌手がどれほど音楽的才能に優れているかということや、これからその歌手の歌によって多くの人が私と同じように癒されていくだろうということを、歌手本人に語りかける形式で書いたのでした。
それまで私は何十年にも渡って、音楽の世界で仕事をしてきましたが、「音楽」や「歌」で癒されるという経験がなかったのです。
自分が歌ったことで、「感動した」「気持ちが癒された」という評価は戴いても、実際、自分が1人の聴衆として歌によって、心が癒されるという経験は、したことがありませんでした。
でもその歌手の歌だけは私の心を満たしてくれたのです。
ですから、そういう経験も加えて、歌手にファンレターという形でレビューを書いたのでした。
提出は、締め切り日ギリギリでした。
無事に出せた達成感でいっぱいで、その後、私は投稿したことをすっかり記憶の彼方にやってしまっていました。
それから数週間後、一本の電話が私にそのことを思い出させたのです。
電話は息子が幼稚園時代から仲良くしているママ友からでした。
彼女は、あるブログに私の書いたレビューがコンテストの第一位として掲載されている、と言って驚いて電話をしてきたのでした。
「松島さん、あんなに文章上手だったの?全然知らんかったわ。感動したわ」
そう言うのです。
それで私は、彼女が教えてくれたブログに行ってみました。
それはレビューコンテストを主宰しているサイトのブログで、私の書いた手紙が全文、掲載されていたのです。
またそのサイトから、メールが届いていて、「第一位、おめでとうございます」と書かれていました。
そしてレビューを読んで下さった方々の多くのコメントがあげられていました。
それと同時に、私のブログのURLも挿入されていた為、私のブログにも多くのアクセスがあったのでした。
その日を境に、私はブロガーとしての道を歩むことになったのです。
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- アラカン, 人生はいつからでも華開く, 松島耒仁子