文学学校を出てから、作家の勉強会(これは今も細々と続いています)に入り、さらに作家薄井ゆうじ氏の「小説塾」に入りました。

そうやって小説をコツコツと書き続けながら、一方ではファンブログを書き続けていた私は、ちょっとファンの中でも変わった存在でした。

いわゆる「好き」とか「愛してる」とか書いているようなブログでなく、様々な出来事を検証して自分なりの推論を組み立てるというブログだったからです。

それと同時に、歌のレビューは書き続けていました。

そこは私がブログを書こうと思った原点だったからかもしれません。

そうやって7年、書き続けたブログを辞め、音楽のレビューだけを書く専門ブログを新たに作りました。

それが今の音楽ライターとしてのブログ「JPOPのある暮らし」です。

 

作家を目指して小説を書き続けていた頃、薄井ゆうじ先生のテキストで心の残った言葉があります。

それは、

「あなたが書こうとしている小説のアイデアは、もう誰でもが書いているものだ」

「では、どうやってアイデアを考えるかといえば、それはあなたの中にしかない。

親子、家庭、夫婦、友人、仕事、経験。

そんなあなたの中にあるものから書くしかないのだ」

「それと自分にしか書けないものを見つけなさい。

自分にしか書けないものを見つけたものは強い」

 

その言葉が胸の中に残りました。

 

自分の中にあるもの。

自分にしか書けないもの。

 

それらを考えると、私には音楽レビューしかない、と思いました。

 

そうやって、私は音楽ライターになったのです。

 

今から思えば、私が最初に「文章を書く」ということに入っていくきっかけは、レビューコンテストで一位を獲得したことが始まりでした。

全てはそこから始まったのです。

 

ずいぶん、回り道をして、私は原点に戻りました。

自分の音楽の知識、特に「歌うこと」「声を出すこと」に特化したレビューを書こうと思いました。

音楽ライターは多くいますが、私のように自分が歌の専門を出て、実際に歌ってきた経験を持つライターは、殆ど見当たらなかったからです。

そうやって私は、JPOPの歌手を中心にした「歌」のレビューブログを書くことにしました。

それまでのファンブログの読者層を全て捨てて、一から音楽ライターとしてのブログを書き始めました。

 

今からちょうど2年前のことでした。