7年書き続けたファンブログでは私は数々の経験をしました。
今でこそ、ネットでの誹謗中傷はたとえ匿名であっても必ず本名が突き止められ、悪質なものは罪に問われます。
そう、ネットでの誹謗中傷は犯罪ですね。
でも10年前、私がブログを書き出した頃は無法地帯でした。
7年間のファンブログ生活で、ありとあらゆることを経験しました。
2チャンネルにスレが立ったり、ブログをハッキングされてアカウントごと消失した事もあります。
また裏ブログなるものを立ち上げられ、Twitterも同時に誹謗中傷を拡散されました。
この時は流石に弁護士に相談をし、法的措置の一歩手前まで行きました。
アメブロを管轄しているサイバーエージェントは、そういう問題に非常に敏感で、厳重に対応してくれたのです。
なぜ、私がそこまでの経験をしたかと言えば、それは一重に「人と違うこと」をしたからです。
私はちょっと変わったファンでした。
多くのファンは、「好き」とか「愛してる」とかそういうことをブログに書きます。
でも私はそんなことは一度も書いたことがありませんでした。
当時、私がファンだった歌手は韓国人でした。
日本で活動していましたが、事務所とのトラブルで日本での活動ができなくなったのです。
韓国ではファンが芸能人を応援する広告を地下鉄に出したり、ラッピングバスを走らせるということは普通に行われています。
日本ではそういうことは行われることがありません。
でも私はそういうことを行ったのです。
ラッピングカーを走らせたり、韓国の地下鉄に広告を出したり。
それはその人の歌声を日本でもう一度、どうしても聴きたい、というそれだけの単純な気持ちからでした。
私が恵まれていたのは、いつも私が思いつくこれらの事柄は、資金も協力者もなぜか与えられる、ということでした。
私が行ったのは、思いついたことをブログで発案し、ファンに呼びかけるだけです。
私1人の力で行えたものではなく、いつも協力してくれる人と資金が集まったのです。
そうやって私は自分が思いついたことをブログに書くことで、多くの人の協力のもとに様々なファン活動を行いました。
それが気に入らない人はいるのです。
そう。
「出る杭は打たれる」
です。
そうやってファンブログの7年間は、ある意味、誹謗中傷との戦いのような年月でした。
自分は動かないのに、動く人は気に入らない人が多いのですね。
私が経験したファンブログの世界はハッキリ言って、嫉妬と足の引っ張り合い、そして自己顕示欲の世界でした。
私は右も左も知らずに、ただ自分の書きたいことを書き、思いついたことを書いただけです。
そうやって書くことで、多くの人が協力してくれる。
そうなれば私はそれを実行するしかありません。
発案し、一旦文章にして出せば、そこには責任が伴うのです。
たとえ資金が集まらなくても計画を頓挫することは出来ません。必ず実行しなければならないのです。
そこには呼び掛けたものの責任がついて回るのです。
ですから私は、自分が発案して呼び掛けたものは全て実行しました。
どんなに批判されようと、どんなに誹謗中傷されようと、自分が一旦、言葉に書いて出したものは必ず実行したのです。
そうやって私は、ある一面で非常に鍛えられ、行動する人間になって行ったのでした。
ファンブログでの7年間は、私という人間を非常に変えました。
自分の意見をハッキリと持ち、表現する。
たとえ誹謗中傷されても、自分が正しいと思うことは絶対に貫き通す。
それだけの強さを持たなければ、何も実行することは出来なかったのです。
この誹謗中傷はつい昨年まで行われていました。
ファンブログを辞め、いわゆるファンの世界から抜け、1人のライターとして記事を書き始めても、執拗に誹謗中傷は繰り返されていました。
何の根拠もないことを単に想像だけで誹謗するのです。
そしてそのいい加減な情報に簡単に同調する。
日本人の悪い癖です。
匿名の世界であれば、何を言ってもいいと思っているのです。
ですが私の場合は、全て本名などの素性を知っている相手でした。7年のファン社会の中で素性を知った相手ばかりだったのです。
ですから弁護士に相談し、警告をし、今もそれらのアカウントは監視対象になっています。
今は世間の風潮としてネットでの誹謗中傷は許されない犯罪行為という流れになっていますから、流石に表立っての誹謗中傷はなくなりましたが、陰では叩きまわっていることでしょう。
「人と違うことをする人間は叩かれる」
これが7年の間のファン生活で知ったことです。
私はそういうファン社会に嫌気が指して、ブログを辞めました。
ただ、自分の好きなアーティストに日本で歌って欲しい、と願っただけの単純な思いで始めたブログでしたが、それが私を強くし、行動する人間に変えたと思います。
私がその歌手のファンになっていなければ、決して私はブログを書くことはなかったでしょう。
その歌手が日本で順調に活動していれば、私は決して「文章を書く」という世界に入っていなかったのです。
人生は、何が転機になるかわかりません。
私が何も知らずに軽い気持ちでブログを書き始めたこと。
これが人生の大きなターニングポイントだったのです。