前世占いからの帰り道、占いの修行中の友人は私にこう言いました。

「ねぇ、それにしても音楽の”お”の字もなかったね。こんだけ音楽の仕事してきてるのにね」

 

そうなんです。

彼女の言う通り、私は3代前に遡っても音楽の仕事はしていないのです。

「うーん、もっと前にやってたのかなー」

 

人間は500回ぐらい生まれ変わっているそうですから、一回ぐらいは音楽の仕事していたのでは?と思いながらそう言いました。

 

すると彼女は

「ねえ、私にも鑑定させてくれへん?松島さんのこと」

彼女は四柱推命で鑑定してくれるというので、お願いをしました。

 

数日後、彼女から連絡が来て、鑑定結果を聞いたのですが…

 

「それがさー、やっぱり音楽の星がないねん」

「星がないってどういうこと?」

「いやー、なんか私もさ、間違いかなと思って、お師匠さんに松島さんの鑑定書、見てもらったんよ。この人、もう何十年も音楽の仕事してきてるんですけど」って。

そしたら、お師匠さん曰く、「音楽をやっても悪くないけど、それよりもこの人、文章書いた方が良いわ。文章書き!って言うてあげて!って言われた」

 

そして彼女はこう続けたのです。

「あのさ、星の後押しのない仕事してても苦労するだけやで。

音楽はもう十分やったやろ。

これからは文章書く仕事したら?

作家になったら良いって、お師匠さんも言うてた」

 

「えー!!作家?????」

 

あまりに現実離れしていて、私にはピンと来ません。

「音楽の仕事はダメなん?」

「ダメなことないけど、星の後押しがないからなー。苦労するし、苦労してきたやろ。それよりも星の後押しがある仕事したらー?」

 

「星の後押しってなあに?」

「星の後押しっていうのは、良いタイミングで力を貸してくれる人に巡り合ったり、自分のやりたいと思う仕事がやってきたり、自分の思い通りに扉が前へ前へと開いていくようになるのよ。

星がない仕事なら、自分の思い通りの仕事をするのに、すごく努力したり苦労したり、誰からも力を貸して貰えなかったり、と本当に苦労するけど、星の後押しがあると、そういう努力や苦労はしなくてもトントンとうまい具合に物事が運んでいくことを言うのよ。

だから音楽も悪くないけど、作家になったら?」

 

そんな夢みたいなとんでもないことを真顔で言う友人なのでした。