前世占いや友人から「文章を書いた方がいい」と言われてから1年以上が経っていました。
その頃の私は、相変わらず音楽の仕事が忙しく、教える対象が子供から大人に変わっていました。
若い頃にピアノをしたかったけれど出来なかった方や、学生時代に習っていたけど挫折した人、特定の曲を教えて欲しいという男性、現役の幼稚園の先生など、結構な数の大人の生徒を抱えていました。
本当に有り難いことに、子供の生徒は中学、高校と大きくなるに従って、勉強やクラブでピアノを続けられなくなり辞める人が多かったのですが、その分を大人の方が埋めてくれていました。
今から考えると、生徒集めもそれほど苦労したということはなく、楽器店が教室のチラシ広告を配ってくれたりすると、必ず数人の問い合わせを貰う状態でした。
私の家のある住宅地でも、近所に誰もピアノや歌を教える人がいなかったという環境で、同じ住宅地内でも丁が変われば、何人も先生がいるのに、私の丁内には誰もいないという幸運にも恵まれていました。
ですから、音楽の星がないと言っても、音楽の仕事をしている人間としては恵まれていた方だったと思います。
そうやって音楽の仕事が忙しい中でも、人生で初めてJPOPの歌手のファンクラブに入り、誰もがするようなファン生活を楽しんでいました。
その頃、あちこちのファンブログを訪れては時々コメントを残すようなファンでした。
ある日、私は私も自分だけの部屋が欲しいと思いました。いろんな人が自分のお部屋を楽しく写真や文字で飾っているのを見て、自分もそんな自分だけの部屋が欲しいと思ったのです。
ほんの軽い気持ちで、娘に頼んで、ブログを作って貰いました。
でも1年前に「文章を書いたらいい」と言われたことは、すっかり忘れてしまっていたのです。
ブログと「文章を書く」ということとが結びついていないぐらい、私はブログを単に自分の好きなことが書ける自分だけの部屋という認識しかなかったのです。
これが人生初のブログで、今からちょうど10年前の今頃でした。
するとブログを通して知り合った方から、歌の記事を書いてコンテストに出すことを勧められたのです。
それは「レビューコンテスト」というもので、歌手の歌についての感想を書くというものでした。
「松島さんは、音楽の専門家だから、そういう記事も上手に書けるでしょう?応募してみたらいいのに」と強く勧められたのです。
ブログを書くことが楽しくて、毎日、投稿していた私は、その延長線上のような気持ちで、そのコンテストにも原稿を書いて軽い気持ちで送りました。
それが私が人生で初めて書いたレビューです。
ブログを書き始めて2週間目のことでした。
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